大きいカリフラワーの葉をバリバリと剥がし、純白の花蕾が現れる。
剥がした大量の葉や出荷調整で出たゴミはもみ殻と共に一年掛けて堆肥にして、来年に育苗の土に使う。
ふと、その葉を眺めてみると深い緑と白のコントラストが何とも絶妙で、生命ってなんて素晴らしいのだろうと思う。
このカリフラワー、大昔に突然変異によって出現し人間に認められ、栽培と言う人間が行う生産によって今まで作り続けられている。野菜は元々野のもの。人間に都合が良いように品種改良されて来たものが多いだろうが、突然変異によって野菜として人と共に歩むことになったものも多くある。
今では放射線照射によって遺伝子を傷つけ、突然変異を人工的に起こしやする品種改良も行われている。
人の営みは「生きる」為に日々の行いがあるはずだが、営利目的が「生きる」行為になった現代。自然の不思議な力によって現れたこの純白の美しい植物に感動した人の豊かさはもうないのかもしれない。
自然界に対する畏敬の念が無ければ必ずこの文明は早くに持続性を失う。
そんなことを何となく思いながら、慌ただしく野菜を整理し、箱に野菜を詰めて行く。どうか、ここに見えている無限の世界が食べる人へ、子供たちへ届きますようにと願い。
© All rights reserved.