弥生

未分類 2016-03-02

SDIM5462

 

気付けば3月。
野菜は花を咲かせ始める。

冬の寒さ、キンっと張り詰める空気、野菜の静けさは何れ訪れる春を待ち、耐え、蓄える。

それは、全エネルギーを天へ向け開花させる時を信じている。

それは、子孫を残すための最期の時を。

人の都合に合わせて何世代もかけて作ってきた野菜も例外なく花を咲かせる。
だから、最も野菜が少ない春の端境期という時期がある。

まつなが畑ではこの時期を「無い」ということを知る時として、とても大切にしている。
3月から4月中まで野菜セットはお休み。
経済のリズムには合わないが、自然、人、生きるというリズムを作るには欠かせられない時。

これだけ溢れた時代にさらに溢れることを求め、経済最優先、消費拡大を進めるこの国に「無い」ということをどう取り扱うのか?
それは、人の力によって支えられるものであって、私たちで守るべきもの。次の世代へ必ず残さなければいけないもの。

何故ならば溢れることが豊かだとは私は思わないから。

食べられなくなった野菜は花を咲かせる。人の都合では無い世界を眺め、子供達にも・・・と。

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