夏の記憶

未分類 2016-09-17

SDIM5910

 

気付けば夏も終わり、秋らしい気候に。
最近は雨が多い。周りの田んぼは早生種が刈り時だが、みんな刈れずに手をこまねいている。

私たち野菜農家はこの時期は種まきに植え付けに忙しい。
今年の夏は暑かった為に仕事が進んでいない。とにかく無心に進むしかない。

イヤでも冬はやってくる。
その時には夏は少し遠い記憶となるのだろう。

永遠と続くのか?と思わせたあの猛暑も、もうすでに記憶でしかない。
どんな大変な思いをしても季節は移り変わり、私たちはその時とともに生きている。

この時期は何か複雑な思いがする。
日がまだまだ短くなるとともに気温も日に日に下がっていく。冬の厳しさはとても静かだ。
汗をかき、青々と茂った畑、虫多く、生命に溢れていた中での過酷さ、一方ですべてが静まり返り、生命が息を潜め、成長を止め、ジッと季節を待つ。

お金がもっと欲しいと足らない時代、物を買わざるを得ないこの時、いつ始まったかしれない季節の移り変わりをどれだけ平坦に捉えようとしても、人が生命である限り、そのリズムは精神に永遠に影響を与え続けるのだろう。

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