走り続けろ

未分類 2016-11-05

sdim6082

 

最近、息子を学校から帰ってくると、畑から自宅まで走らせている。
1.6kの坂道。保育所の娘もたまにお付き合いする。

ここで農業を始めて来年で9年目。
8年前、縁もゆかりもないこの土地に6か月の長男を連れて、引っ越してきた。
その記憶も今ではあいまいだ。
始めは5反の土地を借りただけで、自宅は隣町のアパート暮らし。出荷場もなく冬でも畑の真ん中で出荷作業をし、夏はインゲンの日陰で暑さをしのいで弁当を食べた。
一日、誰とも話さず自宅に帰ることが多かった。

今では、長男、長女、次女の5人家族、畑に行けば何時もおばちゃんと畑の話をする。
人には恵まれ、沢山の人に助けられている。
地域の人、野菜セットのお客さん、出荷先の店。最近では、昔からの私の恩師に息子もお世話になっていて2世代かけて教えを受けている。

農業はスタートも持続も難しい。今年の天候での打撃は大きく「終わり」を予感させる。
思い返せば、無謀なことを今まで続けてきて、いつ終わってもおかしくない状況がどの時期もあった。

今回は乗り越えられるどうかは分からないが、今ある私たちの暮らしぶりは運と今までの積み重ねでしかない。こうして田舎で子育てが出来、人にも恵まれ、家族5人揃ってご飯を食べられる。何でもない日常が世間では少なくなり、今で贅沢な時間が私たち家族にはあるように思う。

こういう苦しいとき時間泥棒は私たちに追いつこうとしているのかもしれない。
「苦しくても走り続けろ!」
息子への掛け声が私たち家族の人生そのもののように聞こえる。

© All rights reserved.