Flower Style

未分類 2016-12-13

sdim6214

 

五ふしの草と夜8時の待ち合わせ。
週2回を3年近く続けてきた。

最近、サークルKが潰れ、ファミリーマートに代わり、同じ駐車場内で場所が少し変わる。
少し場所を変わっただけでこうも光景が変わるものか?と感心する。
経営者は恐らく同じ。中に入ってみると同じ人が働いていた。

ある時は、週2回高い確率で三重から若い女性が姿を現す。恐らくデリヘル。
黒い怪しい車も多く、何やら受け渡しをしている。
高速道路の高架下。点と点を繋ぐその間にあるこの場所は間違いなく社会の一部。

日が昇れば仕事を始め、日が沈めば家に帰り、家族と食卓を囲む。
そんな日常の中の週2回は光の中に影を心に刻む貴重な時間。

誰もが抱く、オーガニックの美しき世界に似つかわない野菜の受け渡し。そして、小さな子供のいる家庭へと届けられる。
大いなる愛はそれを許すのか?それとも、人の残酷さをもって怒りを覚えるのか?それとも、傍観者となるのか?

何者かたちによってこの世界を架空に仕立て上げられるのかもしれない。
無視することがもっとも簡単な手段だが、現実はそれを許してくれない。そういう時代は必ず来ると思っている。

見て見ぬ振りが許される時代も僅か。
そんなことを予兆させる出来事が今年は多かったように思う。
お金を手に入れることは、続け、繋げることよりも、潰し、作りを繰り返し、その場限りの付き合いに人の心を二の次にし、次の私へと幸福を願いその時を過ごす。それは永遠と繰り返すサイクルへ自分の生身を置くことを人は承知した。

続け、繋ぎ、今の自分を生きることの方がよっぽど難しいということを誰もが知っているからこそ、人は忘れ、騙し、諦め、次へと進むこと選択をする。

照らされた世界も陰る世界も、人は同じものだと気付いているのだろう。しかし、それでも双方に反発しあう。だから、より極端に、より分かりやすい、架空の世界を好む。

闇に向かうこの時、より深く、より重く、より静かに。
その先に必ずある始まりを。

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