夕方5時。
あと一時間、作業を仕切り直して順序を決める。
日暮れまでには、終わらせたいが、いよいよ暗くなってきた。
「まぁこんなもんか」と作業終了。
軽トラに戻って時間を確認する。
6時まであと5分。
そうか、6時になる前に暗くなるのかぁ。
冬至まで、世界は暗闇へと向かう。夏の暑さにうんざりして、逃げるように季節を追いかけたが気付けば日照時間が短くなっている。光が隠れれば肌寒く、長袖を取りに行く。
こんな季節を望んでいたかはずなのに、何だか憂欝な気分に。
日に日に闇が増すことを実感し、このまま、世界は暗闇に飲み込まれるのか?と不安さえ覚える。
ある宇宙飛行士が暗闇の北朝鮮を見て言った「かわいそうに」。
人が光を自らの手で作り出せるようになってから、闇と光のバランスが崩れ始め、人が作り出すものと現実が分離し、二つの世界が現れ出した。
そうして、私たちは一つの世界であって、二つの世界で生きるという時代に立っている。
これは、過去の歴史から見ても稀なことだ。この文明は実験的であって、将来に大きな危うさを持っている。しかも、人口が増え続けるこの地球上でこの文明を作り出しているのはほんの一握りの人間だとしたら。
現実は毎日のように繰り返している。
暗闇を受け入れるにはもう少し時間が要りそうだ。
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