「再び作ることが出来る価格」ー小さな農家からの提案
地域で作り、流通し、使う、もしくは食べるカタチを目指しています。
販売場所、地域、輸入の競争に出来るだけ左右されずに「高すぎず、安すぎず」持続可能な価格を地域の作り手同士で話し合い、地域の価格が必要です。私たちは技術力、生産コストの改善、生産効率の改善など価格を下げる努力をしますが、品質を下げること、持続性を損なう低価格、その物以上の付加価値は付けたくありません。市場や流通における自由競争の中で、あらゆる分野のものを「地域で作り、地域で使うこと」を崩壊してしてきました。その結果、どこでも安価に物が手に入り、身の回りがあらゆる物で溢れる豊かさを実現してきました。一方で消費が飽和しはじめたとき一部の富裕層と多くの貧困層と言う格差社会を生み、負けると言う不安の中の競争はますます格差を加速させています。
それは、私たち小さな作り手の世界でも10円の値下げから始まっています。地域の作り手が、地域の使い手、食べ手と協力して持続していく社会は、一昔前では当たり前の構造でした。世界経済や日本の経済からの影響を受けにくい、自立した地域の在り方です。作る側は地域のグループ、仲間で話し合いをすることで売り場に同じものが並ばないよう、作り過ぎないよう、不足し過ぎないよう、相談しながら作り販売します。価格は出来るだけ市場に左右されず変動しないよう、話し合いの中で「再び作ることが出来る価格」を各品目につけます。
一時的な方法として、大量生産される工業製品ではなく地域の暮らしを支える地域の小さな作り手が地産地消を実現する為の提案です。作り手も使い手も共に歩み豊かな暮らしを持続していく為には、再生産できる価格だけではなく、小さな仕組みの中で協力が必要です。それは顔を見て話す所から関係を作っていくという人間にとって必要不可欠な行為から生まれる協力、共同、助け合いの意識から生まれるのではと考えています。情報や売り場が増えた便利な今でも人間の本質は変わらないと私たちは考えています。